1枚目は何か?──『ドミノ』覚書
ヒプノティック──超高度な洗脳術により、他人を操ることができる能力。
最初の世界は、主人公がその力で構築した非現実世界であり、刑事たる自分の娘を、機関から守るために誘拐したのは、なんと自分自身であったのだった。
ヒプノティックによる世界構築が多層的に重なり合う中で、何が現実で何が仮想なのかがわからなくなる。
プロジェクト『ドミノ』は、プロジェクト名ではなく、人の名前、娘の名前ドミニク・アローからつけられたものだった。
最強の超能力を持つ娘が、ドミノの一枚目であり、偽物の妻は本物の妻だった(ただし主人公が洗脳していた!)。敵を欺くにはまず味方、それから観客から。