人文学と法学、それとアニメーション。

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2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

名前と媒介性――『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 永遠と自動手記人形』評註――

0、三つ葉の結び目 本作はフィクションであるから、イザベラがヴァイオレットと「牢獄[1]」たる女学校(さらにはそこに放り込んだヨークの父)から逃亡し、テイラーに会いに行き二人で暮らす、というシナリオだって作ろうと思えば作れる。しかし、それはで…

想いの系譜――『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』評註 その1

1 はじめに 既に鑑賞した者にとっては直ちに理解可能であろうし、そうでない者にとっても容易に推認可能であろうが、140分という長時間、かつ細かい描写を得意とする京都アニメーションの、フルスケールで、しかも事件後初の本格作品でありスタッフの思いが…