人文学と法学、それとアニメーション。

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2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

フィクションと「他者」に一歩踏み込むこと──『グリッドマンユニバース』評註

TVシリーズの『SSSS.GRIDMAN』と『SSSS.DYNAZENON』の登場キャラクターが勢揃いする(!)作品。 みんな六花の家に泊まるので、修学旅行感が半端ない。笑 宝多家のリビングで裕太や六花や将、新世紀中学生組、ダイナゼノン組みんなで焼肉つついて、わちゃわち…

絶望を覆う仮面──『シン・仮面ライダー』覚書

冒頭から流血の嵐でギョッとする。笑 これが人を殺すということよ・・・ でもダンプのカーチェイスとか、コンビナート上での2号との戦いとか、めちゃくちゃ好きだわ。 *** 本作のキーワードは、もちろんスタジオカラーが強調している「継承・孤高・友情」…

人生を鳥瞰した後にようやく踏み出せる一歩──『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』評註

ただ夫ときちんと向き合う。 ただ娘ときちんと向き合う。 ただ父ときちんと向き合う。 ただ隣人ときちんと向き合う。 そして自分自身ときちんと向き合う。 ……ことの、難しさ。 そのためにマルチバースの旅、いな、神になる旅があった。 そのささいな、しかし…

周囲から切れている時間の大切さ──『イニシェリン島の精霊』評註

1 あらすじ 1923年、アイルランドはイニシェリン島。この小さな陰気な島で暮らすパードリックは、長年の友人コルムからいきなり絶縁を宣言される。それでもどうにか仲直り?しようと頑張るパードリックであったが、コルムからは、「もしこれ以上話しか…