人文学と法学、それとアニメーション。

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2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

完全映画の理想の現実化としての『映画「五等分の花嫁」』(第2稿)

1.完全映画たる結婚式馴れ初めムービーとしての『映画「五等分の花嫁」』 本作は一言で言えば結婚式で流れる新郎新婦の馴れ初めから結婚までのムービーと言えなくもない。 しかし、四葉以外の一花、二乃、三玖、五月の姉妹同士の小さい頃から今までの関係…

愛、承認、生きる意味──『劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM [後編]僕は君を愛してる』覚書

幾原監督は以前から『輪るピングドラム』テレビ版の結末をもっとハッピーエンドにしたかった、そうである。それを今回の映画で描くのだ、とも。 しかし、前編を見終わった段階での展望のようにはならず、結局、冠葉・晶馬は世界から消えたまま=テレビ版と同…

ミクロの火を絶やさないこととマクロの消失の危険──『映画 『ゆるキャン△』』覚書

「私たちが今楽しいって思ってることがいろんな人たちに伝わって、また、楽しさを伝えていく。」という、日本最高峰の温泉でのなでしこのリンへの話が全てであろう。「一番最初に私にキャンプの楽しさを教えてくれたのは、リンちゃんだもん。」 このようなミ…