人文学と法学、それとアニメーション。

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2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

無邪気ゆえの残虐さ──『イノセンツ』覚書

いやー、イノセンツ、観てきましたよ。。 子供は残虐である。 たとえば興味関心から、オタマジャクシを太陽照りつける灼熱の水門金属部に放置したり、バッタを紐で縛り付けて生きたままアリの巣の上に置いたりする。 (実体験です…) 物体移動やテレパシーとい…

『テノール!人生はハーモニー』覚書

主人公・アントワーヌ・ゼルカウィは移民?の子か。 兄貴の違法格闘の金を学費にし、生活費は寿司屋のバイトで稼いでいる。 不良?の若者たちが幼なじみであり、界隈の家族同然である。 敵対勢力とのラップバトルもする。 しかし、ある日、寿司の配達バイト…

「アオサギ又はサギ男」についての覚書:『The boy and the Fiction』──宮崎駿監督『君たちはどう生きるか』評註

一切の宣伝なし、劇場パンフレット販売もなしという異例の状況下で公開が続く『君たちはどう生きるか』は、「難しい」「よくわからない」はては「宮崎駿の走馬灯だから意味不明で正解なんだ」という見解まで出てくる状況である。 しかし、特に『ハウルの動く…

フィクションと媒介性──宮崎駿監督『君たちはどう生きるか』評註

『君たちはどう生きるか』冒頭の火災はただの火災で空襲ではない。しかし、何のメタファー(暗喩)かと言えば、劇中にここぞとばかりに描かれる日中戦争そして太平洋戦争時の日本国内の様子(徴兵者の町内挙っての見送り、戦車パレード、軍需産業の活況、おばあ…

再生産と縮小──『君たちはどう生きるか』覚書

冒頭。 戦後70年を過ぎ、再度軍拡を進める岸田政権への批判として、いわば宮崎駿自身の戦後世代の責任・総括として、東京大空襲の話から入るんかと思ったが、なんなんだコレは…… (そういや宮崎駿が復帰して本作作り始めたときのドキュメンタリーで昭和の木造…

小さくてもできること──『マルセル 靴をはいた小さな貝』覚書

まぁとにかくキュートですよね、マルセルと家族たち。笑 あと、特にマルセルは体が小さいくせに、しかも人間たる動画作成者に対してウィットに富んだジョークを連発し、ときに深いことを言う。それでいてウソは言わない。これはウケますわ。笑笑 モーツァル…

Epicureanたちの祝宴──『交換ウソ日記』評註

タイトルが絶妙にダサい。笑 とはいえ、ウソが本当になる話はめちゃくちゃ好き。 また、手書きの手紙や交換日記で互いを徐々に知っていくという、今は失われてしまったロストテクノロジーが、スマホのSNSアプリラインと同時並行で登場するのは本当によい・・…