人文学と法学、それとアニメーション。

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2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『ぼくらのよあけ』覚書

AI、宇宙人(船)、人間。 完全なる他者と「つながる」こと。 その象徴が、みんなが繋いだラストのペットボトルロケット。 わからないなりに「わかる」こと。 主題はかなり好みであった。 宇宙船との交流はできるのに、わこはやっぱり嫌いだと言う花香のくだり…

愛するが故に、鳥籠を開けなければならないのです──『君を愛したひとりの僕へ』&『僕が愛したすべての君へ』覚書

1.はじめに(全体像) 論文締切が迫る中、こんなことやってる暇はないのだが、連続で見てきました。そういうときのが得てして楽しい。笑 最初に全体像の素描をしておくと、『君を愛したひとりの僕へ』(以下『君愛』とする)と『僕が愛したすべての君へ』(以下『…

『百花』覚書

結局、認知症で母の記憶が消えていくなかで、最後まで残っていたのは小さかった息子と見た「半分の花火」だった、つまり、それは一回自分を捨てた母といえど、やはり一番大切だった思い出は自分との思い出だったのだ、と菅田将暉が認識した、という話でいい…

故人を弔うということの意味──『マイ・ブロークン・マリコ』覚書

2022年9月27日、安倍晋三元首相の国葬儀が多くの批判がなされるなかで実施された。 ①法律の根拠がないことが憲法41条違反(法律の留保原則違反)であるという主張 ②特定故人の死のみを国家が特別視することが憲法14条1項違反(平等原則違反)であるという主張 し…