人文学と法学、それとアニメーション。

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2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

切れない過去、日本という病──『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』評註

すぐれたフィクション作品は、その時代背景──文脈(ケンブリッジ学派?)を超えて、普遍的射程を持ちうる。 『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』は、2023年日本の現状、どん詰まりという文脈がなければ描かれなかったであろうが、他方でその射程は非常に長く、普遍性を…

人間生まれたときからすーべて遊びだわ!──北野武『首』覚書

とにかく派手に首が飛ぶし、きちんと斬首を描くし、首を取られた後の死体・傷口や、斬られた後の首も映す。 生のむなしさ、あっけなさーーニヒリズムが主題かしらね… 家康の無限影武者編含め主人公格の関係当事者ほとんどが散る暴力と欺瞞裏切りの応酬。そこ…

1枚目は何か?──『ドミノ』覚書

ヒプノティック──超高度な洗脳術により、他人を操ることができる能力。 最初の世界は、主人公がその力で構築した非現実世界であり、刑事たる自分の娘を、機関から守るために誘拐したのは、なんと自分自身であったのだった。 ヒプノティックによる世界構築が…

あるいは令和のソフォクレスか、溝口か────『正欲』評註

岸善幸は令和日本のソフォクレス、あるいは溝口健二か。 いやはや恐れ入った。 こういう映画を見るために、生きているみたいなところがある。 今年の邦画だと、淺雄望『ミューズは溺れない』。あるいは是枝裕和『怪物』。 アニメだと宮崎駿『君たちはどう生…

ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず──『駒田蒸留所へようこそ』覚書

回転する独楽が静止したように見える状態≒ちはやふる、だ!(最近アニメ『ちはやふる』3期まで一気に見た。笑) 主題系はタイトルにも引いた「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」(鴨長明『方丈記』)であろう。「独楽は家族のお酒」という、駒…

自身への赦し──『ゴジラ-1.0』覚書

自分は、過去に罪を犯したから、楽しく生きてはいけない人間だという暗示に、人はかかることがある。 神風特攻隊として散らなかったことも、島でゴジラに発砲できなかったことも、本来、敷島が責任を負うべき事柄ではなかった。が、気にしてしまったのならば…